文部科学省が毎年発表している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」から、福岡県と全国の不登校者数(小中学生全体)を調べました。この調査における「不登校」の定義は、「年度間に連続又は断続して30日以上欠席した児童生徒のうち、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし、『病気』や『経済的理由』による者を除く)」 とされています。ここでは、令和4年度(2022年度)の調査結果 を示します。1. 全国小学生:81,498人 (前年度 63,350人)中学生:163,350人 (前年度 132,777人)合計:244,940人 (前年度 196,127人)2. 福岡県小学生:3,883人 (前年度 3,082人)中学生:5,817人 (前年度 5,304人)合計:9,700人 (前年度 8,386人)詳細小学生 (3,883人) 前年度比:+801人 (増加) 在籍者数に占める割合:1.4% (全国平均 1.7%)中学生 (5,817人) 前年度比:+513人 (増加) 在籍者数に占める割合:5.4% (全国平均 5.0%)長期化の懸念: 不登校が長期化する傾向も見られ、早期対応と継続的な支援が課題となっています。福岡県の不登校者数は、小中学生ともに前年度から増加しています。小学生の不登校者数の割合は全国平均より低いですが、中学生の割合は全国平均より高い 状況です。参考文部科学省:令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調 https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/shidou/1267646.htm福岡県の主な不登校対策福岡県教育委員会は、不登校児童生徒への支援として、主に以下のような対策を実施しています。1. 未然防止魅力ある学校づくり: 生徒が主体的に参加できる行事や活動を充実させ、学校生活の満足度向上を図る。学級経営の充実: 生徒一人ひとりの個性を尊重し、安心できる居場所となる学級づくりを推進する。生徒指導体制の充実: スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門人材を活用し、生徒の悩みに寄り添った支援を行う。いじめ対策の徹底: いじめの早期発見・早期対応、いじめを許さない環境づくりを推進する。2. 早期発見・早期対応欠席状況の把握: 出席管理システム等を活用し、欠席状況を迅速に把握し、関係機関が連携して対応する。家庭訪問: 欠席が続く生徒の家庭訪問を行い、状況把握と必要な支援につなげる。相談窓口の設置: 学校や教育センターなどに相談窓口を設置し、生徒や保護者が気軽に相談できる体制を整備する。スクールカウンセラー等の活用: スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが、生徒の心理的支援や関係機関との連携を行う。3. 学校復帰支援教育支援センター(適応指導教室)の設置: 不登校生徒の学校復帰を支援するため、教育支援センター(適応指導教室)を設置し、学習支援や体験活動、相談活動などを提供する。ICTの活用: オンライン学習環境を整備し、自宅や別室でも学習を継続できるようにする。個に応じた支援: 生徒一人ひとりの状況に合わせた、きめ細やかな支援計画を立て、実施する。関係機関との連携: 医療機関や福祉機関など、関係機関と連携し、総合的な支援を行う。4. 保護者支援保護者相談: 保護者向けの相談窓口を設置し、不安や悩みの解消を図る。情報提供: 不登校に関する情報提供や研修会などを実施し、保護者の理解を深める。家庭訪問: 必要に応じて家庭訪問を行い、保護者と連携して生徒の支援を行う。5. その他の取り組み不登校特例校の設置: 不登校生徒を対象とした特別な教育課程を編成・実施する「不登校特例校」を設置し、多様な学びの場を提供しています。フリースクール等との連携: フリースクールやNPOなどの民間団体と連携し、不登校生徒の多様なニーズに対応する。調査研究: 不登校に関する調査研究を行い、効果的な支援策の検討に役立てる。参照福岡県教育委員会: https://www.pref.fukuoka.lg.jp/soshiki/2100000.html福岡県教育センター:https://www.educ.pref.fukuoka.jp/まとめ福岡県では、不登校児童生徒の増加という課題に対して、未然防止から学校復帰支援まで、様々な対策を講じています。 しかし、依然として多くの児童生徒が不登校状態にあり、対策の効果検証や改善、更なる支援の充実が求められています。今後も、学校、家庭、地域、関係機関が連携し、一人ひとりの児童生徒に寄り添った支援を継続していくことが重要です。当校では、すでに不登校の生徒さんが複数名通われております。フリースクールとしての役割、またIT,パソコンのレッスンを主軸としているパソコン教室がベースとなっているため、従来のフリースクールでは成しえなかったレッスンや体験が可能です。もし、こちらの記事をご覧になって、少しでもご興味がございましたら、お気軽にお問合せください。体験会なども随時行っております。今後の政府、官公庁の動向にはとても興味深く注視しています。